ひとりごと

社長のひとりごとVol.10 「日本人の中の真面目さ」

勤勉はもはや美徳ではない。
欧米のように、仕事は仕事と割り切って、あとは自分の好きなことをして人生を楽しもう。我々は働き蜂ではないのだから。
最近、そんなことを言う人が多いようですが、僕には理解できません。
日本は、戦後の焼野原から今日まで目覚ましい発展を遂げてきました。
それは、すぐれたリーダーがいたからでも、政治が良かったわけでもない。
ひとりひとりが、それぞれ与えられた仕事を懸命にこなしてきたからです。
「貧しさから抜け出したい」「家族にもっとましな生活をさせてやりたい」
その一心で、国民全員が頑張り、結果として企業が伸び、経済が成長したのです。
みな必死で働いた。けれども、それがしんどいとは誰も言わなかった。
むしろ、懸命に働くことの中で、生き甲斐や喜びを見出した。
それこそが、日本人の持っている至高の宝「真面目さ」なのです。
それを、否定してしまったら後世にいったい何を残せるのでしょう?
今、日本は未曽有の危機にあると僕は思っています。
爆撃で死んでいる人はいませんが、1日に自殺している人は90人に上ります。
これはつまり、魂の戦争です。銃や爆弾ではないが、ストレスや心の病で殺されている。
さらに、被災地では仕事どころか生活さえできなくて苦しんでいる人もいます。
だから、冒頭のようなことをいう人は、「危機感が欠如しているのでは?」と思ってしまいます。
人生を楽しむ。おおいに結構。
けれども、仕事の中にも必ずそれを見いだせるのではないでしょうか?
まだ、日本人の中に「真面目さ」という道徳が生きているのであれば…。

 *あくまで私見です。これを読まれて気分を害されないよう「アホがなんか言うとる」くらいで受け止めてください _(._.)_
                   
                     代表取締役社長  岡本 英之(2011.8月号エコヨムより)